遅くなりましたが、アニメの1話を見ました。
何だろう、あのOP…! 本当に格好良すぎて、言葉になりません。
バッカーノも格好良かったし、成田先生と大森監督の組み合わせってすごいなぁ。
OPでもEDでも大層萌えさせていただき、今後の展開にドキドキが止まらないです。
あと今日長編を更新しました。
ずっと0話で止まっていたのですが、やっと続きが書けました!
このお話は時系列がごちゃごちゃになったりして、かなり読みにくいと思いますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
ちなみに、静雄と臨也の喧嘩要素はゼロで、ひたすらいちゃいちゃしている(つもりの)話なので、キャラ崩壊が激しいかも…。
ごめんなさい。でも、もう開き直っちゃいます!
23日から長期間留守にする予定なので、それまでにできるだけ更新したいと思います。
以下、反転で拍手のお返事です。
>楪さま
初めまして。リンクして下さりありがとうございます!
こちらの方でも、リンクさせて頂きました。楪さまのサイトにはこっそり通っていたので嬉しかったです。
あと中編の方も読んで下さりありがとうございます。新刊が出てから、投げ出しそうになりながらも何とか完結しました。楽しんで頂けたようで嬉しいです。
それでは、またよろしかったら遊びに来てください!
いつも拍手を下さる方々もありがとうございます!
とても嬉しくて、毎回励みになっております。更新頑張ります!
§ 3月、都内某所
「シズちゃん、もう起きたのかい?」
「ああ。てめぇはまだ寝ていなかったのか」
静雄は一つ身震いをすると、手探りで部屋の電気をつけた。
もう3月も末になったとはいえ、夜はかなり冷え込む。そんな中、薄いパジャマ1枚で机に向かっている臨也が妙に寒そうに見え、静雄は眉をしかめた。
一緒に暮らし始めるようになって分かったことだが、この男は寒さや暑さと言うものに無頓着だ。
暖房の効いた暑い部屋でダウンコートを着込んでいることもあれば、今のように寒い気温の中でも平気で薄着でいたりする。
――だからといって、暑さや寒さに強いってわけでもなさそうなんだよな。
静雄は寝室から毛布を持ってくると、臨也をそれでくるんだ。
臨也は突然かけられた毛布に驚いたのだろう。数回、目を瞬かせた。そして静雄を見上げると、不思議そうに首を傾げる。
「いきなりどうしたの?」
「いや、手前が寒そうだったから」
「そうかなぁ? もう春だし、別に寒くなんてないけど」
「てめぇが寒くなくても見てるこっちが寒いんだよ」
そういうと、臨也はおかしそうに笑う。
「随分と優しいんだねぇ。『シズちゃん』は」
「ああ、俺はいつだって優しいぞ。俺の名前を忘れたのか?」
「もちろん覚えているよ。平和島静雄だろ」
静雄、静雄、静雄…。
静雄の名前を何回も呟きながら、臨也は静雄の体に抱きついた。そして、そのまま静雄の胸に顔をうずめる。
その様子が、飼い主に体を摺り寄せて甘える子猫のようで、静雄は思わず頬を緩めた。
最近、だんだんと分かってきたことなのだが、この男は存外に甘えたがりなのだ。
「シズちゃんは、優しくて温かい。平和島静雄って名前の通りの人間だよ」
「臨也…」
「シズちゃんは、優しい。そして、穏やかな人間だ」
そう呪文のように唱えながら、臨也は静雄の胸に顔をこすりつける。
静雄は臨也の顔が見たくて、無理やり顔を上向かせた。
臨也の目は熱に浮かされたように潤んでいる。その姿がひどく扇情的で、静雄は思わず息をのむ。
突然煽られた劣情を無理やり押さえ込むために、静雄は話題を変えた。
「なぁ、臨也。こんな時間に起きて一体何をやってたんだ?」
「眠れなかったから、書き物をしていたんだ」
「書き物?」
「うん、折角だから日記でも書こうかと思ってね」
そう言って、臨也は机の上に置いたあった数枚の紙の束をまとめた。
日記なら普通は日記帳にでも書くだろうに、珍しいことをする。そう静雄が指摘すると、臨也は個別の紙に書いて後でファイルにまとめるのだといった。
日記帳というものは、どうやら臨也のお気に召さないらしい。
「こんな時だから、いろいろ残しておいた方がいいと思ってさ」
そういって、臨也は薄く笑みを浮かべた。
その笑みがとても儚く見えて、静雄は思わず身震いをする。
なぜかは分からないが、臨也においていかれるようなそんな悪い予感がした。
静雄は、不安を誤魔化すようにして力いっぱい臨也を抱きしめる。途端に、静雄の腕の中から臨也の悲鳴が聞こえた。
「シズちゃん、痛いよ。いきなりどうしたの?」
「…くな」
「え?」
「俺を置いていくな」
そういって、静雄は抱きしめる力を強くする。
臨也は、暫く驚いたように目を見開いていたが、やがて柔らかな笑みを浮かべると、自らの手を静雄の背中へとまわす。
そして静雄を落ち着かせるように、ゆっくりと静雄の背中を叩いた。
トン、トン、トン。
臨也の腕が、単調なリズムを刻む。その様子はまるで赤子でもあやしているようで、静雄にとっては少し不本意だったが、それでも臨也の腕が刻むリズムが不思議と心地よい。
「変なシズちゃん。俺が一体どこへ行くっていうんだい?」
「…」
「俺は、ずっとここにいる。シズちゃんを置いてなんていかない」
「……」
「だからさ、シズちゃんも黙っていなくなったらダメだよ」
臨也の言葉に、静雄はやっと臨也を抱きしめる力を緩める。
臨也は、静雄と視線を合わせると、にっこりと笑った。
そして、静雄の髪をぐしゃぐしゃと撫でる。
「ねぇ、シズちゃん。桜を見に行こっか」
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